星野伊織 さん (所属:上本町校)
僕は小さい頃から勉強が好きで、塾に入るのを楽しみにしていました。4年生で入った南森町校ではずっと1位で毎回トップ賞をもらっていました。5年生で上本町校の灘特進に移ると、1位はめったに取れなくなりましたが、難しい問題に挑戦するのが楽しくなりました。「大阪星光に入れたらいいな」と思っていた僕が、気づけば「灘に手が届くかもしれない」と考えるようになりました。
しかし、試験日が重なるため灘と大阪星光のどちらを受けるかなかなか決められませんでした。そこで、8月の灘トライアルでA判定が取れなければ大阪星光を受けると家族と約束しました。結果はこれまでで最高得点でしたが、A判定にはあと数点届かずやる気をなくしてしまいました。
このままではいけないと思い、先生や家族と何度も話し合って「やっぱり灘を受験しよう」と決めました。そこからは今まで以上に勉強に力を入れ、友達と切磋琢磨する日々を過ごしました。
前受けの愛光学園では落ち着いて試験に臨むことができ、無事に合格。それが自信になって本番の灘入試も緊張はしませんでした。
1日目の国語は、苦手なので手応えを感じませんでしたが、いつもの事だと言い聞かせて気持ちを切り替えました。理科は思ったより簡単に感じました。余裕があったので、「休み時間のトイレが混んでいたら困る」と考えて試験中に行くことにしました。その結果、次の算数では気持ちに余裕ができ、思った以上に解けました。
そして、2日目の最後の算数。過去問よりすごく難しく感じましたが、難問の1問を解き切ることができ、達成感がありました。試験を終え、「やり切った」と思いました。
しかし、結果は不合格でした。合格点まであと数点。灘トライアルで何度も経験した「あと数点」が、最後まで埋まりませんでした。
生まれて初めて悔し涙を流しました。簡単には合格できないとわかっていたけど、「頑張ったから合格できる」とどこかで信じていました。でも、ダメだった。
なぜダメだったのか振り返ると、僕はずっと「とりあえず」の勉強をしていたからだと思います。
本当は、
「この苦手を克服したいから」
「あと何点ここで取りたいから」
そうやって目的をはっきりさせて勉強すべきだったのに、「とりあえずこの問題集を解こう」
「とりあえず過去問をやっておこう」
そんな風に目の前の勉強をこなして頑張ったつもりになっていました。
でも、この経験は決して無駄ではなかったと思います。目標と目的を明確にして最善を尽くさなければ第一志望に合格できないと痛感したので、この悔しさをバネに僕は東大寺学園で新たな目標を持って本当に意味のある勉強をしていきます。
この受験を通して、先生や家族への感謝の気持ちも強くなりました。成績が伸び悩んだとき、志望校を迷ったとき、相談に乗ってくれた先生。どんなときも僕を信じ、励まし続けてくれた家族。合格はできなかったけど、先生や家族が支えてくれたからこそ最後まで挑戦することができたと思います。
これを読んでいる受験生のみなさんへ
「とりあえず」の勉強ではなく、「志望校合格のために何が必要か」をしっかり考え、最善を尽くしてください。僕のように、あと数点足りなくて悔しい思いをしないために。
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