三つ子ママ⑨難関校に全員合格!三つ子ママの中学受験子育て術 〜パパの役割と中学受験のメンタルケア〜
話を聞いた人

三つ子ママ Oさん

日能研卒塾生の保護者。三つ子(男子)の母。第一志望校の関西最難関校の甲陽学院中に三人全員合格。三つ子ならではの「全員合格」という高い目標を掲げ、喜びも不安も三倍の受験期を乗り越えた。三人を見守る日々は感情のジェットコースターだったが、互いに励まし合う息子たちの成長を実感。激動の中学受験の貴重な経験を語る。

中学受験は親子の受験といわれるほど、親の協力や理解が重要です。三つ子全員を甲陽学院中学に導いたお母様Oさんは、忙しいご主人の分まで丁寧にサポートされていましたが、やはり父親は代わりの利かない存在だといいます。

今回は、三つ子ママのOさんご一家でのパパの役割と、中学受験のメンタルケアについてお聞きしました。

パパの役割は水筒を洗うことと、たまに塾の送迎

三つ子くんたちの中学受験で、お父さまはご家庭でどのような役割を担われていたと思われますか。

「主人は仕事で忙しく、基本的には家にいません。ただ、どれだけ忙しくても、家に帰ってきたら自分と子どもたちの水筒をいつも洗ってくれていました。お弁当箱は食洗機に入りますが、水筒は対応していないので置いておくと洗ってくれます。主人にとって大切な毎日の役割だと思うので、任せるようにしています」

実際にお子様たちと関わるときは、どのような感じですか。

「たまに早く帰ってきたときは、主人が塾の送迎をします。道中の車内での会話も、子どもたちにとって楽しい時間のようです」

お父様の送迎のときは、普段とは雰囲気が違うのでしょうか。

「私の送迎より新鮮なので、反応がおもしろかったのだと思います。車の中では、その日に塾であったことなどを話すのですが、私は1回聞いたことがある話がほとんどなので、あまり新鮮な反応ができません。一方、夫は初めて聞くことばかりだから息子たちの話に食いつくので、息子たちも話していて楽しいようです」

最重要の役割はメンタルケア。楽観的な声かけで的確にフォロー

お父様にしかできない大切な役割もあるといいます。

「主人の送迎は、息子たちのメンタルケアをしてもらうためであります。母親の私が言っても聞かないことでも、父親が言えば聞くことがあるからです。私が何を言ってもどうしようもないときは夫に話をしてもらいます」

お父様はどのように息子さんたちのケアをされるのでしょうか。

「主人のほうが楽観的なので、深く考えずに声をかけます。私なら重たくなってしまうところを、主人なら軽い雰囲気で対応してくれるので、私にはできないケアをしてもらっています」

お父様がどのような言葉をかけられているのか、具体的に教えていただけますか。

「例えば、成績が下がっているとき、私はネガティブなことも言ってしまいますが、主人は子どもを持ち上げて『まあ、大丈夫じゃないの?』と励ます感じです。勉強していない場合は、『もう少ししたほうがいいんじゃないの』と一言伝えます。軽い雰囲気でも選ぶ言葉が的確なので、私も安心して頼れます」

パパは基本的に受験に介入しない。夫婦の役割バランスが絶妙

お父様のフォローは頻繁に行われるものではないそうです。

「主人の出番は、いざというとき、最後だけです。子どもたちは、基本的に父親から勉強について何か言われることはありません。受験自体にあまり深く介入しておらず、私が送った成績表のスクリーンショットに、リアクションを返してくる程度です」

受験本番で万が一の結果になる可能性についても、ご夫婦で考えが異なっていたといいます。

「私は勉強態度なども見てきたので、『通ってもいいところしか受けない』など、万が一の場合を想定しながら考えていました。一方、主人は合格を信じていたようで、全然考えていませんでした。受験をあまり見てこなかったから、どっしりと構えられたのかもしれません。でも、私は結果を見るときまで怖かったので、心強かったですね」

熱心にサポートすればするほど、受験への不安や心配も強くなりやすいもの。そんなとき、気持ちを軽くしてくれるお父様は、Oさんと三つ子くんたちにとって、非常に頼もしい存在だったようです。

お父様が多忙で直接的な介入が少ない場合でも、愛情を感じられるサポートが行われていれば、家族一丸となって受験に向き合えるのでしょう。夫婦がそれぞれの役割を果たせるように働きかけるOさんは、中学受験を支える親の鑑といえます。

日能研では、ご家庭での受験サポートにまつわるご相談も承っています。お悩みの方は、ぜひごお気軽にご連絡ください。

聞き手・文:古賀令奈