夏期③夏期講習で急成長!ベテラン国語講師が驚いたケース② 〜志望校を堂々と宣言して見事合格〜

夏期講習は受験生にとって成長のボーナスタイム。夏のストイックな追い込みが、合否に大きく影響を与えるといいます。今回は、日能研のベテラン国語講師である荒賀先生に、夏期講習で急成長を遂げたお子さまのエピソードをうかがいました。

目標を人前で宣言できる子は急成長を遂げやすい

荒賀先生の経験から、夏期講習で急成長するのはどのようなお子さまだと思われますか?

「人前で目標を宣言でき、それをやり切るタイプの子は伸びやすいと思います。教え子のB君も同様のタイプで、急成長を遂げていました」

B君はどのような目標を宣言されたのですか?

「国語の語句テストで毎回100点を取るという目標です。『絶対に取る』と強く意気込んで挑み、見事に達成していました」

なぜ目標を宣言してやり切る子が急成長しやすいと思われるのでしょうか?

「自分にプレッシャーをかけるためでしょう。満点をとるのはとても大変です。しかも、毎回となると尚更。大変なことを達成するために、覚えるときは念には念を入れて覚えるようになります。自分にプレッシャーを与えることで、『これで大丈夫。でも、もう一回見直しておこう』というように、勉強に対してストイックになれるのです」

みんなの前で志望校を宣言できる子は合格しやすい

荒賀先生によると、以前は夏期講習のスタート時に志望校を宣言する子もいたそうです。

「最近はあまりしていませんが、昔はよく夏期講習の始めに志望校合格を宣言できる子を募っていました。興味深いことに、B君のようにみんなの前ではっきり目標を言える子は、ちゃんと合格します。そのため、あえて『誰か言える?』『今年は志望校を言える子はいないのかな』と自発的に発表するよう促していました」

語句テストの満点継続と同じように、志望校をみんなの前で発表することによって、ストイックに自分を追い込めるそうです。

「自分で言ったことを守れないと格好悪いもの。合格を宣言することで、プライドとの戦いが始まります。不甲斐なく情けない部分を人に見せないために、どれだけしんどくても勉強に向かうのでしょう」

成績が伸びるタイミングは、成績を気にしなくなったとき

荒賀先生によると、成績が伸びるタイミングの一つに、『周りを気にしなくなったとき』が挙げられるそうです。

「賢い子たちは、自分の成績が何番目なのかを気にしていません。人との比較なんてどうでもよく、自分で納得できるだけのことを成し遂げられたかどうかを重視しています。そして、自分自身の結果に、喜びや悔しさを感じるのです」

周りの子の成績と比べて落ち込んだり喜んだりする子について、荒賀先生はどのように思われますか。

「周りと比べているうちは、まだ著しい成長は期待し難いでしょう。自分がどう見られているかはを気にすることなく、自分のなかでやると決めたものをやりぬくことが大切です」

他人の目を気にするお子さまの場合、伸び悩んでしまう傾向があるそうです。

「他人の目を気にする子は、最後の一歩が届かないケースが目立ちます。『褒められたい』、『賢いと思われたい』などの願望が強い印象です。誰しも抱く感覚なので、決して悪いわけではありません。しかし、急激に伸びる子は、そうした一般的な感覚を超越して、自分の向き合ったものをとにかく徹底してやりきるのです」

目標宣言は優越感に浸るためでなく、自分を焚きつけるため

褒められるためではなく、自分が納得いくまでやり切る。この違いが成長に大きく影響を与えるといいます。

「周りと比較して優越感に浸るためではなく、自分を焚き付けるための宣言です。人と比較することをやめて、自分が納得いくまでやり切るスタンスで走り出せるようになると、その勢いは凄まじいものになります。実力がつくのはもちろん、安定性も高くなります」

徹底してやり込むようになり、学力が安定すると、将来性までみえてくるのだそうです。

「受験で何があっても合格するだろうと思えるし、万が一通らなかった場合でも大丈夫だと感じます。徹底してやり切れるようになった子は、学力や数値では測れない生きる力を身につけているからです。どんな環境でも立派に生きている子に育つと思います」

『親や先生から褒められたい』という気持ちも、大きな原動力です。しかし、誰かのためではなく、目標実現のために自分を戒める強い意志は、より大きな力を生むのでしょう。日能研では、たくさんの子どもたちが自分の可能性を信じて挑戦を続けています。お子さまにとって大切な夏期講習を、日能研の仲間たちとともに過ごしてみませんか?

聞き手・文:古賀令奈