
受験者のなかでの立ち位置を示す偏差値。中学受験でも偏差値を基準に受験校を考える方が少なくありません。中学受験に励む娘をもつHさんも「憧れのA校に偏差値が届きません。合格の見込みはあるのでしょうか?」とお悩み様子です。そこで、日能研のベテラン講師である荒賀先生と邨田先生のご意見をうかがいました。
日能研は偏差値で受験校を提案しない
「模試の合格判定を見るたびに落ち込みます。目標偏差値が遠く感じる状況ですが、娘はA校を熱望していて諦める気配はありません」とため息をつくHさん。
受験校を決定する際には、家庭環境や考え方、本人の性格などさまざまな要素を加味する必要があり、偏差値だけで単純に決められるものではないそうです。停滞する偏差値に悩むHさんに、国語担当の荒賀先生が語ります。「中学受験は数字だけで決められる世界ではありません。偏差値以外の要素も含めて、その子にとって理想的な受験校を見極められるのが日能研です」
算数担当の邨田先生も、荒賀先生の意見に深く頷きます。
灘や甲陽学院など最難関校の指導に長年携わってきた荒賀先生は、受験前からほぼ8割以上の合否がわかるそうです。
荒賀先生「偏差値による判定も軸として行っていますが、我々には数値に表れないものがわかります。『偏差値としては足りていなくてもきっと受かる』、『偏差値は十分超えていても厳しいだろう』などの見込みを伝えて、受験校を一緒に考えるのが我々の仕事だと考えています」
最後まで伸び続ける子は、正しい向き合い方で勉強している
偏差値的には厳しい子が受かるケースについて、荒賀先生は共通点があるといいます。
「本質をちゃんと考えて勉強している子です。最後まで伸びて合格をつかむ子は、勉強に対して正しい向き合い方をしています。暗記で突破しようとするタイプの子はあまりいません」
日能研では物事の本質を理解する指導を行なっており、成り立ちや仕組みについて興味や関心をもち、頭を使って考えることを大切にしています。こうした姿勢で日々の勉強に取り組んでいる子は、最後まで伸び続けるそうです。
「多くの塾で最後の模試は12月に行っていますが、関西圏では1月半ばが本番です。偏差値が出なくなってからの1ヶ月で、最後まで正しい向き合い方で勉強している子は伸び続けます。12月の模試では厳しい結果だった子でも、入試問題との相性や志望校別特訓での成果なども確認し、受かる見込みがある場合は受験を提案します」
バイアスをかけず、個性にあわせた学校選びを重視
日能研では合格可能性の高い安全な学校ばかり受けさせることはなく、可能性を見つけてあげることも大事にしているそうです。
荒賀先生「少しでも高いところに向かってほしい気持ちがあるので、成長に応じてチャレンジを含めた提案も積極的にしています。それまでの面談などで出てこなかった学校でも幅広く提案するのが塾職員の仕事です」
日能研と他塾の大きな違いは、バイアスをあまりかけないことだといいます。多くの塾が偏差値を指標とした受験プランを示し、そのプランどおりに受けるのが中学受験の通例となっていますが、日能研ではバイアスをかけた受験プランに誘導することはないそうです。
邨田先生「お子様の個性に合わせて受験校を提案します。提案するとお話をうかがえるので、そこから話し合いながらプランを決めていくことができます。ですから、偏差値を軸としたモデルケースどおりに受験するご家庭はほとんどありません」
注目ポイントは「合格率」合格者数よりもリアルな実績
中学受験で偏差値に加えて重視するものといえば、合格者数ではないでしょうか。しかし、お子様の受験環境を選ぶ際は、合格者数よりも合格率を重視するのが理想的だそうです。
邨田先生「日能研の合格率は、『合格者数/実受験者数』で算出されます。例えば、B塾からA校を受験した生徒200人のうち30人が合格した場合、合格者数30人が実績として公表されます。一方、日能研からA校を受験した30人のうち20人が合格した場合、合格者数としては10人少ない状態です。合格者数からみた実績としてはB塾が上回るものの、合格率でみるとB塾15%、日能研66%と日能研が上回る形です」
合格者数だけを公表している状態ではB塾のほうが高実績として判断されますが、合格率までわかると違う判断がなされるのではないでしょうか。
また、難関校や最難関校では、塾から大多数の生徒で受験するケースが往々にみられます。そのなかには、志望校ではない学校を受ける子も少なくないそうです。
荒賀先生「我々は一人ひとりをみて、その子に合った勉強の仕方を教えているため、合格率が高くなると自負しています」
本当に行きたい学校を目指せる環境だからこそ、高い合格率を実現できるといえるでしょう。日能研では、他塾と重複している講習参加生や、公開模試の受験生を含まず、日能研に通い続けたお子様のリアルな合格者数と合格率を公表しています。偏差値や合格者数などのバイアスをかけずに正しい勉強との向き合い方を重視し、憧れの学校を目指してみてはいかがでしょうか。
聞き手・文:古賀令奈