ご質問:
「5年生の夏から入塾しました。4ヶ月ほど経ちますが、週末のテストで点数が取れずにいます。授業は楽しく受けているようですが、テストが難しく、また入塾以前の問題が出題されることもあるみたいで、なかなか点数に結びつきません。どのようにフォローしたらいいでしょうか?」
日能研ベテラン講師からの回答:
学年途中から入塾されたご家庭から「テストの点数が取れない」というご相談は非常に多く寄せられます。
特に、入塾前の学習範囲が出題されると、親としては不安になるものです。しかし、焦る必要はありません。いきなり模試で結果を求めるのではなく、日々の授業で行われる「小さなテスト」で結果を残す努力を積み重ねることが大切です。
入塾から4ヶ月、「楽しさ」の先にある壁
中学受験の学習において、5年生の夏というのは一つの大きな転換期です。この時期から入塾を決断されるご家庭も少なくありません。
しかし、入塾から4ヶ月ほど経ち、生活リズムに慣れてきた頃にぶつかるのが「テストの点数」という壁です。「子ども本人は『授業が楽しい』と言っている。でも、週末に行われるテストの結果が芳しくない」「入塾する前に終わってしまった単元が出題され、解けない問題がある」
このような状況に直面すると、「このままで大丈夫なのか」と不安を募らせる保護者の方もいらっしゃるでしょう。特に、途中入塾の場合は「未習範囲」というハンデがあるため、余計に焦りを感じてしまうかもしれません。
この悩みは入塾直後の方から非常によくいただくご相談ですが、解決への道筋は明確にあります。今回は、途中入塾から着実に成績を伸ばしていくための「正しい順序」についてお話しします。
まずは「足元」から! 大きなテストより小さなテスト
入塾して間もない頃、どうしても気になってしまうのが、偏差値が出るような「大きなテスト(公開模試など)」の結果です。しかし、最初からここで高得点を狙うのは、マラソン初心者がいきなりフルマラソンで好タイムを狙うようなものです。
成績アップのためにまず注力すべきは、国語の「漢字テスト」、算数の「計算テスト」のような、「普段の授業で行われる小さなテスト」です。
これらは、範囲が限定されており、努力すれば必ず点数が取れるものです。まずは、この「目の前の小さなテスト」で満点や合格点を取ることを目標にしてください。この小さな積み重ねが、基礎学力を強固なものにします。
学習のリズムを作る「2週間に1回」のサイクル
小さなテストができるようになったら、次はもう少し実施までのスパンが長いテストに目を向けます。 日能研では、1〜2週間ごとの学習内容を確認するテスト(学習力育成テスト)を実施しています。このテストは、直近の授業で習った内容がそのまま出題範囲となります。つまり、直前の1~2週間の復習をしっかりと行っていれば、十分に点数が取れる仕組みになっているのです。
いきなり半年分の範囲が出題されるような実力テスト(公開模試)で点数を取ろうとするのではなく、まずはこの「習った直後のテスト」で結果を出すことに集中しましょう。このサイクルが安定してくると、自然と実力がつき、やがて広い範囲のテストでも点数が取れるようになっていきます。
未習範囲の不安を解消する「カリキュラムの魔法」
途中入塾の保護者の方が最も心配されるのが、「入塾前に終わってしまった単元」の扱いです。テストで未習範囲が出ると、「習っていないからできない」とお子様が自信をなくしてしまうのではないかと心配になる方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、塾のカリキュラムは「一度習ったら終わり」ではありません。
• 季節講習(春期・夏期・冬期)
• 学年の切り替わり
こうしたタイミングで、重要単元は何度も繰り返し学習するように設計されています。 普段の授業は一直線に進んでいるように見えますが、長いスパンで見ると、らせん階段のように同じテーマをレベルアップしながら繰り返しているのです。
入塾前の習っていない単元も、季節講習や次の学年で必ずまた出てきます。そのタイミングでしっかりと学習すれば十分に間に合いますので、「今はまだできなくて当たり前」と捉え、焦らず構えていてください。
まとめ
途中入塾からの成績アップは、一足飛びにはいきません。しかし、焦りは禁物です。
1. 小さなテスト(漢字・計算など)にしっかりと取り組む
2. カリキュラムの確認テスト(2週に1回)で直近の学習範囲を復習する
3. 未習範囲は季節講習などの繰り返しのタイミングで回収する
このステップを着実に踏んでいけば、必ず結果はついてきます。今はお子様と一緒に、一つひとつの課題をクリアしていくプロセスを見守ってあげてください。その温かい眼差しこそが、お子様の頑張る原動力になるはずです。