冬期講習を受けないとどうなるの? ベテラン塾講師が考える4つのデメリット
話を聞いた人

荒賀健志

西宮北口駅ビル校教室長、国語科主管を経て、現在最難関校対策部門の統括責任者を務める。日能研関西入社以来、灘特訓、甲陽特訓、女子西大和洛南特訓、神戸女学院特訓を担当。最難関校受験生向けの教材作成、灘トライアル等のテスト作成に携わる。再現性が高く、論理的で鮮やかな解法で解説するわかりやすい授業には定評がある。

邨田大輔

岡本校教室長、最難関校主管を経て、現在最難関校対策部門の統括責任者を務める。日能研関西入社以来、灘特訓、女子西大和洛南特訓、四天王寺医志西大和洛南特訓、星光西大和東大寺特訓を担当。最難関校受験生向けの教材作成、灘トライアル等のテスト作成に携わる。受験生を合格に導く戦術の持ち主で、クラス全員第一志望合格という快挙を成し遂げた。

冬休みはクリスマスやお正月、帰省などイベントが盛りだくさん。「冬期講習を受講しても、塾に行けない日があるからもったいないかも」と悩む方も少なくありません。しかし、冬期講習を受けずに冬を乗り切るのは至難の業。受講しない場合は、さまざまなデメリットが生じるようです。

そこで、今回は日能研のベテラン講師である荒賀先生と邨田先生に、冬期講習を受けない場合のデメリットについてお聞きしました。

魅力的なイベントが豊富だから、家庭学習だとメリハリをつけるのが難しい

冬期講習を受けずに家庭学習をするという選択肢について、先生はどのように思われるのでしょうか。国語の荒賀先生が回答します。

荒賀先生「冬はクリスマスやお正月など、子どもたちにとって魅力的なイベントがたくさんあり、ふわっと過ごしてしまいやすいシーズンです。保護者の方も忙しく時間を確保するのが大変な時期なので、ほかの講習以上に家庭学習のフォローが難しいでしょう」

家庭学習の場合、時間を有効に使えないまま時間が過ぎていく可能性が高いといいます。

荒賀先生「お子さまが集中しにくい季節であるため、楽しいことばかり考えて気持ちが浮ついた状態のまま、あっという間に時間が過ぎてしまいます。冬期講習を休んでしまうと、その期間に有効な家庭学習を行うのは非常に難しいでしょう」

冬休みの学習は、誘惑に流されてしまわないようにメリハリをつけることが大切だそうです。

荒賀先生「塾に行っているときは勉強を頑張って、イベントは思いきり楽しむといったように、メリハリをつけて勉強をするほうがよいと思います」

休むと元に戻すのが大変。帰省先の近隣教室での受講も可能

勉強で大切なことは継続であり、休むという選択肢は推奨されないようです。

荒賀先生「勉強は毎日することが大事です。ピアノの練習を休むと腕が落ちてしまうのと同じように、勉強も休むと元に戻すのが大変になります。そのため、冬期講習が受験直前期にあたる6年生は元旦だけ休み、ほかの日は毎日講習をしています」

お正月の帰省を理由に、冬期講習を受けないケースも珍しくありません。算数の邨田先生によると、帰省先に日能研の教室がある場合は、そちらに通う選択肢もあるそうです。

邨田先生「ご実家への帰省などで物理的に塾に来られない場合は、ご実家のお近くにある教室での受講も可能です。学習継続のためにも積極的にご活用ください。近隣に教室がない場合は、午前中の決まった時間に机に向かうようにするなど、学習ペースが乱れないように努めることをおすすめします」

学習の継続は大切ですが、詰め込みすぎは逆効果になるおそれがあるそうです。

邨田先生「あまり気合を入れてすべてカバーしようとすると、焦点が絞りきれずにただなんとなく机に向かうだけになりやすいでしょう。冬期講習を受けずに家庭学習で乗り切る場合は、『算数ならこの単元とあの単元、理科なら〇〇』といったように苦手単元に絞って集中的に頑張ることをおすすめします」

ただし、焦点を絞ったとしても、目標達成できるかどうかは別問題だといいます。

邨田先生「ご家庭で腹を括ってできるかどうかといえば、難しいと思います。お時間が許すのであれば、ぜひ塾に来て我々に任せていただけると間違いありません」

成果が出るのは2ヶ月後。新学年スタート時に成績が下がる傾向がある

冬期講習を休んだ場合、その影響はしばらくしてから出てくるそうです。

荒賀先生「勉強の成果はだいたい2ヶ月後くらいに出ます。冬期講習の成果が成績に表れるのは2月〜3月頃になるでしょう」

影響が表れる時期が2月〜3月ということが、今後の受験生活においてネックになる可能性があるといいます。

荒賀先生「冬期講習を休むと、2学期に習った大切な単元の復習がぬけてしまいます。塾では2月から新学年が始まりますが、冬期講習を受けなかったお子さまは、ちょうどその頃に成績が下がる傾向があります」

新学年をスムーズに進めるためにも、冬期講習が大きな鍵となるようです。

邨田先生「新しいスタートを切るタイミングで成績が落ちると、お子さまご本人が苦しむことになります。みんなの緊張が高まる新学年で乗り遅れないためにも、冬期講習はぜひ受けていただきたいです」

6年生は受験本番に強く影響。不参加のデメリットが大きすぎる

受験が目前に迫る6年生にとって、冬期講習に参加すること自体が精神面に大きく影響するといいます。

荒賀先生「受験直前期である6年生の場合、最後の仕上がりが重要になります。気持ちよく会場に行けるか、不安で気持ちが下がった状態で行くのか、冬期講習はその仕上がりに影響を与えます」

病気のリスクを減らすために、受験直前期は自宅学習に切り替えるという意見も耳にしますが、荒賀先生は警鐘を鳴らします。

荒賀先生「感染症対策で冬期講習を受けずに自宅学習で受験を迎えるご家庭もあります。もちろん子どもが集まれば病気のリスクは0ではありませんが、塾に来ていただかなければ我々は何もしてあげられません」

オンライン受講などが可能な場合は、そうした手段を選ぶことで感染症対策と受験対策を両立できるでしょうか。

邨田先生「オンラインだと強制力が若干弱くなるので、勉強への集中力が下がる可能性は否めません」

荒賀先生によると、直前期に高まるクラスの連帯感が重要だそうです。

荒賀先生「最後はクラスの連帯感が増し、塾に行くと『みんなが頑張っているし、自分もやろう』という気持ちが高まります。みんなで合格しようという気持ちは、受験に向けて大きな力になるでしょう」

 

楽しいイベントが豊富な冬休みだからこそ、勉強と遊びを切り替えてメリハリのある受験生活を送ることが大切です。充実した時間を過ごしながらも、新学年に好調なスタートダッシュを切れるように、ぜひ日能研の冬期講習をご活用ください。