三つ子ママ⑫最難関校に全員合格!三つ子ママの中学受験子育て術 〜中学受験のその後、どうなってほしい?〜
話を聞いた人

三つ子ママ Oさん

日能研卒塾生の保護者。三つ子(男子)の母。第一志望校の関西最難関校の甲陽学院中に三人全員合格。三つ子ならではの「全員合格」という高い目標を掲げ、喜びも不安も三倍の受験期を乗り越えた。三人を見守る日々は感情のジェットコースターだったが、互いに励まし合う息子たちの成長を実感。激動の中学受験の貴重な経験を語る。

晴れて中学受験を乗り越えたあとは、6年間の中高一貫校生活が待っています。多くの保護者の方が、充実した学校生活を願いながらも、勉強との両立を不安に感じられるのではないでしょうか。

今回は、三つ子全員を甲陽学院中学に導いたOさんに、中学受験のその後についての思いをお聞きしました。

親が言ったようにはならない。自分がやりたいことを好きなようにしてほしい

三つ子くんたちが晴れて念願の第一志望校に進学した今、次の目標は何か考えていらっしゃいますか。

「親の私が、何か将来に向けてしてほしいと思うことはありません。息子たちは受験や志望校なども基本的に自分たちで決めてきたので、これからも本人たちが決めればいいと思っています」

お子様たちの将来についてはどのように思われますか。

「将来の夢を聞いてもみんなバラバラです。親が言ったようにはならないとわかっているので、自分たちがやりたいことを好きなように見つけてくれたらうれしいですね」

三つ子くんたちを信頼されているからこそ、本人の意思に任せたいと思われるのでしょうか。

「子どもたちの人生は、自分の人生とは違いますから。子ども自身の人生であり、一人の人間として考えています。本人たちにも『サポートはするけど、自分で見つけてね』と言っています」

お友だちや熱中できる部活など、中高一貫校の醍醐味を味わってほしい

中高一貫校での学校生活では、勉強だけでなく視野を広げてほしいと思っているそうです。

「主人も私も中学受験を経験しているので、中高一貫校の醍醐味は実感しています。長く付き合えるお友だちや熱中できる部活動やスポーツなど、何か特別なものを見つけてほしいです」

進学校では大学受験を見据えて部活動を制限するご家庭もあるかと思いますが、Oさんご一家ではどのように考えていらっしゃいますか。

「勉強にこだわりはなく、勉強ばかりしてほしいとは思っていません。長期間じっくり取り組めるものでもいいので、熱中できるものを見つけてほしい気持ちが強いです」

部活動やスポーツに熱中すると、勉強がおろそかになるケースは少なくありません。その点への不安や心配はありませんか。

「勉強熱心な学校なので、勉強ができていなければ部活動に対して何か言われるかもしれませんが、親からは別に制限をする気はありません。『両方頑張ってね』とは言っているので、本人たちもそのつもりだと思います」

3人とも好奇心旺盛。刺激し合って興味の幅がどんどん広がる

三つ子くんたちは部活動に対して、どのような意識で取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

「仮入部の時期は2つまで兼部できるなか、息子たちは3人とも2つのクラブを兼部していました。昔から好奇心が強く、一人が体験に行ってみると、その話を聞いた別の子も興味を持つようです。三つ子がそれぞれ感想を聞き合って互いに刺激し合うので、興味の幅もどんどん広がります」

三つ子でも性格が違うと聞いていましたが、部活動では興味の方向性が近いのでしょうか。

「仮入部の時期は、先生からも『今しか見られないから』と言われていた影響もあり、先輩の話を聞くなどして熱心に探していたのだと思います。次男は非常にもの静かな性格なので文化部しか見ないと思っていましたが、きょうだいの話を受けて運動部にも足を運んだときは驚きました」

きょうだいで同じ学校の場合、別の部を選ぶケースが多いように感じますが、三つ子くんたちは、きょうだい同士で同じ部を体験することに抵抗はなかったのでしょうか。

「昔から3人で一緒にすることが多く、真似をされても嫌がることはありません。むしろ、きょうだいが評価しているものは、信頼できるようです。それぞれがいい刺激を受け合っています」

「迷ったらやってみる」幼少期の習慣が好奇心を育んでいる

三つ子くんたちの好奇心の強さは、Oさんの教育の賜物でしょうか。

「幼少期の頃から『なんでもやってみると楽しいかもしれないよ』とは言っています。迷ったらやってみる習慣があるので、部活動の体験でもその感覚で動いていたのではないでしょうか」

『迷ったらやってみる』というのは、具体的にどのようなことがありましたか。

「小学校の行事でも、忙しいことを理由に迷うぐらいなら手を挙げてみるように伝えていました。塾があるので先生も止めてくれていたと思いますが、運動会の実行委員や生徒会、卒業アルバムの制作、クリスマス会の司会など、受験直前でも関係なくギリギリまでやっていました」

受験直前期となると、学校行事よりも勉強を優先してほしい気持ちはありませんでしたか。

「少し心配でしたが、とても楽しそうなので見守っていました。いい先生ばかりだったので、本人の意思を尊重し、サポートしてくださっていたのだと思います。勉強も大事ですが、やはり本人がやりたいことをやってくれることがうれしいですね」

受験本番を控えた直前期でも、お子様たちの学校活動を応援されるOさんの姿勢に、三つ子くんたちへの強い信頼が感じられました。

お子様たちの意思を尊重する日々の積み重ねが、彩り豊かな小学校生活と中学受験の両立へと導いたのではないでしょうか。三つ子くんたちの中学・高校生活が、さらに実りあるものになることを期待せずにはいられません。

日能研では、中学受験のためだけではなく、その後の人生を支える本質的な学習を重視しています。勉強や学校生活について気になることがある方は、ぜひお気軽に日能研までご相談ください。

聞き手・文:古賀令奈