
三つ子といっても性格は三者三様。反抗期の様子もそれぞれ異なるようです。三つ子全員を甲陽学院中学に導いたOさんご一家でも、受験期に全員が反抗期を迎えて対応に追われたといいます。
今回は、三つ子ママのOさんに、反抗期の様子と対処法についてお聞きしました。
長男くんはケアレスミスで荒れ気味に。自分自身に苛立っていた
長男くんは客観的にものごとを判断される印象ですが、反抗期はありましたか。
「長男は小学6年の1学期ごろ、かんしゃくを起こすように荒れていました。自分のケアレスミスへの怒りを私にぶつけ、『なんでおれだけいつもケアレスミスをしてしまうんだ』と八つ当たりしてきました」
自分自身に苛立ちを感じていた長男くんですが、その時期は長くなく、次第に落ち着いていったそうです。
「なぜ間違えてしまうのかと聞くと、『そんなの知らない』と返ってくるような感じでしたが、夏を超えてから変化がみられました。自分で納得できるようになり、人に当たることもなくなったのです」
長男くんはどうして納得できたのでしょうか。
「ケアレスミスを一つずつ分析するようになったからです。間違えた原因を把握することで、次からは間違わずに解けると自信を持てたのだと思います。分析をすることで冷静になれたようで、その姿から成長を感じました」
次男くんは静かな反抗。読書に逃げるのがストレス回避術
もの静かな次男くんにも、反抗期があったのでしょうか。
「次男は反抗期なのか判断し難いのですが、6年の夏休みに読書に逃げている部分がありました。ほかの2人のように感情をぶつけてくるわけではなく、ささやかな反抗として、勉強をせず本を読む感じです。今考えると、ストレスがたまっていたのだろうなと思います」
お母様から勉強をするように促すと、次男くんはどういう反応でしたか。
「声をかけても『うるさいな』などは言いません。ただ、『うん、後からやる』と言いながらも勉強はしないので、静かに反抗していたのだと思います」
静かながらも意思は人一倍固く、体にまで変化が出たそうです。
「おやつがとても好きな子でいつも食べていたのですが、自分のなかで『受験が終わるまで食べない』と決めていたようです。もともと細身なのに、少し痩せてしまいました。でも、受験が終わった途端におやつを解禁し、晴ればれとした表情に。担任も心配してくださっていたようで、『イキイキしてきましたね』と言われました」
三男くんは年中反抗期。良くも悪くも感情豊かで素直
三男くんは素直なお子様と聞いていましたが、反抗期はあったのでしょうか。
「三男は年中反抗期です。赤ちゃんのように『なんでおれは!』とずっと不満や感情をぶつけてきます。素直といえば素直で純粋な子なのかもしれませんが、融通が利かないといえば融通が利かない子です」
お母様一人では手に負えないことが多く、塾の先生に頼ることも少なくなかったといいます。
「八つ当たりがひどくて困ったときは、『先生に話を聞いてもらっておいで』とお願いしていました。多分、先生にも弱音を吐いていたと思います」
感情を荒立てることが多い一方、素直だからこそ相手を労る気持ちも強いそうです。
「感情をぶつけてスッキリしたあとは、『本当にありがとう』と素直に言ってきます。お弁当を作ると『お母さん大変だよね』と声をかけてくれるのも三男です。今はさらに反抗期がひどく、私の言うことを聞かなくなり、ダラダラとマイペースに過ごしています。受験期の反抗期は、今思うと小さいものでしたね」
反抗期は人それぞれ。その子に合わせて寄り添いを
受験本番を控えた6年生は、反抗期とストレスが重なり、精神的に不安定になりやすいもの。三つ子くんたちもそれぞれ表現や時期が違いますが、お母様に不安や不満、葛藤などを訴えることで、気持ちを落ち着かせていたようです。
Oさんは三つ子くんたちの性格に合わせて、無理強いをせず寄り添う姿勢を貫かれていました。気持ちが落ち着くまで話を聞いたり、言葉に出さない場合はそっと見守ったりと、本人が納得できる形で寄り添っていたようです。
お子様の様子がいつもと違うときは、反抗期やストレスなどの影響かもしれません。対処が難しいときは、日能研までご相談を。お子様ご本人や保護者の方からお話を聞いたうえで、無理なくできるように学習の調整やサポートを行います。ぜひお気軽にご連絡ください。
聞き手・文:古賀令奈