中学受験で差をつける!四字熟語の賢い勉強法3選
話を聞いた人

荒賀健志

西宮北口駅ビル校教室長、国語科主管を経て、現在最難関校対策部門の統括責任者を務める。日能研関西入社以来、灘特訓、甲陽特訓、女子西大和洛南特訓、神戸女学院特訓を担当。最難関校受験生向けの教材作成、灘トライアル等のテスト作成に携わる。再現性が高く、論理的で鮮やかな解法で解説するわかりやすい授業には定評がある。

中学受験において、四字熟語は国語の重要な得点源の一つです。しかし、その数の多さに「どこから手をつければ良いのか」「効率的な学習法はないのか」と悩む方も少なくありません。今回は、膨大な四字熟語の中から、特に中学入試で狙われやすい三つのタイプに焦点を当て、効率的に高得点を狙うための学習戦略をご紹介します。

得点源に直結!中学受験で狙われる四字熟語の秘密

四字熟語を勉強するとき、まずは「言葉を覚える・意味を覚える・使い方を覚える」ことが基本となります。さらに中学受験の国語では、ただ多くの四字熟語を知っているだけでなく、「どのように出題されるか」を意識した学習が求められます。入試問題を作成する側にとって、出題しやすい四字熟語には明確な傾向があります。この傾向を理解し、次にご紹介する3つのタイプの四字熟語を特に優先的に学習することで、限られた時間の中で最大の効果を得ることが可能になります。それでは具体例を見ていきましょう。

入試で狙われやすい四字熟語の主なタイプは以下の3つです。
1.漢数字が入っているもの
2.同じ漢字が繰り返し使われているもの
3.対になる漢字が使われているもの
これらのタイプを意識することで、闇雲に覚えるよりも、より戦略的な学習が可能になります。

【タイプ1】漢数字を含む四字熟語は要チェック!

「漢数字が入っている四字熟語」は数多く存在し、中学入試では頻繁に出題される傾向があります。

一長一短」「三寒四温」のように、漢数字とあわせて反対の意味の漢字も入っているもの(長⇔短、寒⇔温)は、二つの要素が合わさっているため非常に狙われやすい四字熟語の典型例です。

また、「一石二鳥」や「二束三文」のように、連続する数字が使われている四字熟語も多くあります。連続する数字に注目して調べてみるのもひとつの方法です。

【タイプ2】同じ漢字が繰り返される四字熟語も必見!

次に注目すべきは、「同じ漢字が繰り返し使われている四字熟語」です。このタイプは、繰り返し使われている漢字の部分を空欄にして答えさせる問題として出題されます。

たとえば「自由自在」であれば、「〇由〇在」のような形で「自」を答えさせる問題が出されます。

【タイプ3】対義語が入った四字熟語も頻出!

三つ目のタイプは、「対になる漢字が使われている四字熟語」です。

例を見てみましょう。
・「弱肉強食」:「弱い」と「強い」という反対の意味を持つ漢字が含まれています。
・「古今東西」:「昔」と「今」、「東」と「西」というように、二つの対義語のセットが含まれています。これは「昔から今、そして世界中」という意味になり、時間と空間の広がりを表す四字熟語です。

これらの四字熟語は、「〇肉〇食」のように一部を空欄にし、「反対の意味を持つ漢字を入れて四字熟語を完成させなさい」といった形で出題されることが多いです。そのため、「対の意味を持つ漢字」を意識しながら学習することが、得点に繋がるポイントとなります。

効率的な学習で合格へ一歩!

中学受験の四字熟語学習は、やみくもに暗記するだけでは非効率的です。今回ご紹介した「漢数字を含むもの」「同じ漢字が繰り返されるもの」「対になる漢字が含まれるもの」という三つのタイプに優先的に学習することで、効率よく得点力を高めることができます。

もちろん、これらのタイプに当てはまらない四字熟語も重要ですが、日々の学習の中で、これらの三つのパターンを意識しながら四字熟語に触れることで、きっと中学受験の合格へと一歩近づけるはずです。

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